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「最後まで話を聞き押し付けない、耳が痛い、恥を学ぶ」ブログNo.107

分裂病者は口籠る

分裂病の定義の一つは「口籠る」こと、とラカンは言います。

例えば、「私は掃除をしようか…、んっ、昨日は何を食べたんだったか」と脈絡のない文章に飛ぶ。

「掃除をしようか…」と言って口籠り、この後、「何をしようか」「いや、昨日は何を食べた…」

「明日の準備が…」と、いろいろ出てきて、また口籠る。

言語学でいうとこころの、隠喩・換喩が無く、関連のない文章。これが分裂病。

これは日常的にあるフレーズです。これを私たちは喋っています。ラカンは「人間は分裂病という症候を病んでいる」と言いました。

相手の表情を自分の勝手な意味で読み取ったり、思い込みで見て聞いて他者に向けて言葉を発します。

これは捏造です。

他者が自分と話をしていて、視線を他に移しただけで、自分との話に退屈しているのではないか、と思う。

相手が下を向いていると、落ち込んでいるとか、つまらなさそうと意味づける。

自分の無意識にある言語の反射が現象界であり、自分が見ているものは自分の無意識の投影。

つまり、現象界・現実に自分しか見ていないということです。

相手が感じ、思い、考えていることとは別に、自分には「そう見え、聞こえる」。

ここに、他者は存在しません。

母と子の会話で、

子供が学校に行く前に「今日は家で…」と口籠り、母は「今日、お母さん出かけるから、鍵を持っていってね」。「忘れ物はないの?」などと言いだします。

子供の言いたこと、母に伝えたいことを最後まで聞かず、お母さんは自分の都合や、自分の言いたいことを言います。子供の言葉を遮ることもあります。

これでは、会話になりません。

話を聴く

子供との会話に限らず、家族、友人、隣人、職場で、自分の思い込みで相手の言うことを聞いてない。そして、相手の話から自分が思いついたことを話し出してはいないでしょうか。

最後まで相手の話を聞かず、話を取ってしまい、自分の話にすり替えてしまう。

人の言うことをしっかり聞くというのは、難しいことです。

在りのまま聴く、そのまま聴く、そこに自分で何の加工ませずにです。

すぐ人に説教をしたり、知ったかぶりをしたり、教えたがります。

親が子供に話す時に、往々にして起こりやすいことです。

これらは押し付けです。躾と押し付けは違います。

ここには他者への尊重がありません。

力のあるものが弱いものに向けて、自分の考えや意見、価値観を押し付けてしまいます。

弱い者はそれに異を唱えらえないで一方的に言われるだけになってしまい、精神の病を作ってしまいます。心身ともに健康な人間を作る事はありません。

自分は絶対正しい、間違っていないと思い込んでいると、人の話は全て跳ね除け排除し聞けません。

自分は絶対ではない、間違うこともあるという謙虚さと、自分を客観的に見ることが必要です。

親だから、大人だから正しいとは限りません。子供から学ぶこともあります。

      

「最後まで話を聞き押し付けない、耳が痛い、恥を学ぶ」ブログNo.107_d0395266_06564017.jpg

耳が痛い

親の言葉が否定や暴力的・威嚇的であると、子供はその言葉を聞きたくありません。

「聞きたくない、喋らないで欲しい」とは言えないで、身体で表現するしかなく、耳の病気、例えば中耳炎になります。

中耳炎は耳がズキズキ痛く、耳だれや発熱を伴ったり、耳が詰まった感じがするのが一般的症状です。

こうして、正に聞きたくないと耳が痛くなる。難聴にもなります。

ヒステリー性難聴というのもあるくらいです。

比喩的に使う「耳が痛い」とは、自分の欠点や弱点を指摘され、聞くのが辛いという意味で使います。

自分は最高と思っていたいのが人間です。欠点や弱点を認めることは自己愛が傷つくためです。

「中元耳に逆らう」という言葉があり、真心からの忠告は、それを聞く者にとっては耳が痛く、素直に聞き入れにくいもので、つい耳を塞ぎたくなるという意味です。

真心からの忠告、自分のことを思って言ってくれる言葉は聞き入れたいものですが、普段から罵詈雑言を言われているとか、それを聞いて育つと、どんな言葉も悪意であったり、悪口にしか取れなくなります。

ここに無意識、コンプレックスが関わり、自分では判断しにくいことではあります。

精神分析、カウンセリングは聞くことが大事です。

恥から学ぶ

人の話を聞くことで恥を学びます。

話を正しく聞き取れば、正しく反応し回答できます。

聞いていないから、人前で恥をかきます。すると、もう二度と恥をかくまいと真剣にきくようになり、自分が成長します。

     ライト.a精神科学研究所 登張豊実

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# by laito-a-msl | 2026-01-20 06:56 | 心の健康

「母の笑顔 -母を言語にした対象aは生活の中にある-」ブログNo.106


    

「母の笑顔 -母を言語にした対象aは生活の中にある-」ブログNo.106_d0395266_07133948.jpg


母の表情、目

ラカンのいう対象aの基は“母”。

子供は母との関わりの中で、関わり方の方法を見い出します。

まだ言語がない時代の子供は視覚に頼るしかないため、母の表情を見て、一定のパターン・型を作ります。

母がいつも笑顔か、怒っているか、悲しそうな顔か、辛そうな顔か。この表情で母のパターンが決まります。

子供にとって、母の笑顔以外、普通の顔も怒っている、になることを気に留めておきます。

言葉では「OK」と言っても、顔の眉間にしわでしかめっ面では、本当にOKしたことになりません。

子供は母の表情をよく見ています。

笑顔が無いと、「お母さん、怒ってる?」と訊きます。こう言われた時は要注意です。

お母さんたちに「笑顔が一番。子供はお母さんの笑顔を求めてます」と話したところ、あるクライアントは、「鏡の前で笑顔の練習をした」と言いました。素晴らしいです。

表情の中でも大事なのは目です。

「目は口程に物を言う」と言うように、多くを語ります。「目が笑っている」、「目が怒っている」「目が泳いでいる」という表現があるくらいです。

子供は母が怒っているかどうかの確認を、母の目に近づき、のぞき込み、そのまなざしで判断します。

母を規定する

言葉や文字で言い表し、決めることを「規定」といいます。

母のまなざしの中に母のパターンが定式化し、母の性格を言葉で「こういう母」というように象徴化します。

例えば、いつも笑顔の母には、優しい母、自分を見守ってくれている母、大好きな母など子供なりにパターン化し母を言葉で言い表し、母を規定します。

表情、目が怒っていると、「鬼の母」と規定します。

子供が最初に母のまなざしをどう規定したか。それは様々ある中のどの母を見たか、そして、母がどの顔を子供に見せて来たかです。

人のせいにするか、自分を消すか

母の目に、瞳に子供は自分がどう映っているか見ています。

かわいい子か、いい子か、憎たらしい子か、悪い子かと。

そうして、母の目に映る自分の自己表象が決まります。

母の目が怒っていれば、子供は自分が母を怒らせたとなります。

母との鏡像関係の中で、母の怒りの表情を作りだした原因は自分だと子供は考えます。

母の側も、精神が未熟だと「私をこんなにイライラさせるのは、この子のせいだ」になります。

これは、特に悪いことは全て「人のせい」という考え方です。

自分の想い通りにいかないのも、不幸なのも他者のせい、社会のせいで、自己の責任は一切ない。

これおでは、反省も自分を改めることもありません。

幼い子供が母に「私がこんなに不幸なのはあなたのせいだ」と言われれば、罪人ですが、冤罪です。

子供にはそのことの是非を判断する能力はなく、自分に罪はないのに、罪を掛けられたと同じです。

罪人として生きていくことになる。

また、「自分が母の怒りの原因だ」となり、「私さえいなければ母は幸せになれる。この家は丸く収まる。」更に、「私さえいなければいいんだ」となり、うつ病者がよく言う「消えたい」になり生きる意味を失います。無力になり、動けなくなります。

母の名残(母の隠喩・換喩)

母が子供にどういう自分を見せたか、子供は母の何を見たか。その母を子供はどう規定し、記憶したかによります。

対象aは、この母の印象と記憶で構成されていて、自分の好みが生活の中にあります。

そこに母の名残を求めています。

しかし、母を対象aという記号に居置き換えたので、母そのものは存在せず、母を隠喩・換喩した言語になります。

   

「母の笑顔 -母を言語にした対象aは生活の中にある-」ブログNo.106_d0395266_07141233.jpg

意味を変えずに形式を変えることを「換喩」と言います。

母を食で換喩すると、食に関する仕事をする、料理人になる。

母の髪に振れた印象と記憶があれば、美容師になる。

母を温もりで換喩すると、温泉に入る。

母の声は音楽に換喩される。というようにです。

自分が好きなもの、身の回りに置くものは全てそうだと言えます。

母は換喩と隠喩され、そのシニフィアンの連鎖は留まることはなく、生きる意味が無い虚無感に捉われることはありません。

平凡に、しかし楽しく生きられます。

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# by laito-a-msl | 2026-01-16 07:14

「家族の食事の大切さ -9の定義-」 ブログNo.105

「家族の食事の大切さ -9の定義-」 ブログNo.105_d0395266_06164914.jpg

人間としての食体験には9つの定義があると、師は言います。

1.共に食べる(共食)

2.会話

普通の家族の食事は、家族という集団で生活しているので、楽しく会話しながら食べます。

「家族団らん」というように、家族が集まって和やかに食事を楽しみます。

そこで子供は、学校であったことなどを我先にと話します。他愛のない話ができる場です。

家族の崩壊は孤食に始まります

3.手作り

スーパーの総菜や冷凍食品ではなく、母親が作った手料理をが食卓に並びます。

母は忙しい時間がないと言って手抜きをし、子供が高校生・中学生・小学生であっても、家族の食事を作らせたという話をよく聞きます。

食事作りの手伝いを、子供がしたいと言わないのにさせるのは、母の甘えです。親子逆転です。

ある例では、お正月のお節を子供の頃から手伝わされたため、大人になってお節を作らない。

更には、小学校から食事を作らされ、子供の時から一生分料理をしたので、大人になってから全くしません。

40代の娘が働いて、80代の母親が毎日台所に立って料理します。

つけが回りました。

4.食べたい時に

5.食べたい物を

6.食べたいだけ食べる

子供は自分の感覚・知覚を自分で感じ取れることが大事です。

食べたくない時に、食べたくない物を、食べたくないのに食べさせられたら人間の食事ではありません。それは餌です。

子供は自分の好きな食事、メニューをリクエストします。

ご馳走だから、お母さんがせっかく作った自慢の料理だからと、「食べろ、食べろ」と言われ食べさせら、とても美味しくは食べられません。

7.温かいものは温かく食べる

8.冷たいものは冷たいまま食べる

9.それらが美味しい。

温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、その料理に適した温度で食べてこそ美味しいものです。

精神分析では、「食=母」という公式があります。

人間が生まれてはじめの食事は、母のオッパイだからです。

母のオッパイをどのように飲んだかが大事です。

母が落ち着いた心で、我が子を愛しい可愛いと思いながら、目を見つめ微笑みながら授乳します。

ここで躓くとアルコールかグルメ志向で終わってしまいます。

飲むことと食べることにしか楽しみ、喜び、享楽が無く、その他、いろいろな対象があるにも拘わらず、食で止まり、食だけを反復します。

拒食症は母を拒むことで、過食症は母を過剰に摂り入れることで、愛情欠損性格の典型といいます。

       

「家族の食事の大切さ -9の定義-」 ブログNo.105_d0395266_06163694.jpg


おふくろの味というのがあります。

ところが母の作る料理はどれも不味かったとしたら、おふくろの味にはなりません。

コンビニのお弁当がおふくろの味では困ります。

コンビニのお弁当などまだましな方で、ドックフードを食べさせられたという例がありました。

また、腐ったものを出されて食べて、嘔吐したというのもあります。

こうなると、母は信用できなくなります。

おふくろの味とは、母は気まぐれで味にむらがあり、毎回同じ料理でも微妙に味が違います。

同じ味は二度と作れない、それが味わいとなります。

キューピーのコマーシャルにあるように、「愛は食卓にあり」です。

母親が家族に美味しいもの、好むものを食べさせてあげたい、身体と心の栄養になるようにと、最後の仕上げに愛を一つまみ入れて、家族を思って作る料理は最高であり、普通であること。

そんな家族の食事風景が無くなってきているのではないかと危惧します。

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# by laito-a-msl | 2026-01-13 06:18 | 心の健康

「人は知らずに過去にしたかったことを再現、反復します」 ブログNo.104

関心

人が対象(物・事・人)と交流したとき生まれる関係は、「愛(好き)」、「憎しみ(嫌い)」、「無関心(どうでもいい)」の三つです。

対象への関心度合いにおいて、愛と憎しみは同等であり、無関心は文字通り、対象への関心がありません。

故に、人は無関心であるよりは憎まれ嫌われた方がまだいいと感じます。

無関心ということは主体が存在しない、これが一番人にはきつく応えます。

子育てで、子供への無視・無反応は子供の主体の抹殺に値します。

対象世界と関わることは心的エネルギーを使います。平たく言えば気を遣います。

関わらなければ心的エネルギーの消耗はありません。この状態が「ひきこもり」です。

一人で過ごすため、心は波たたず心穏やかには居られます。

「人は知らずに過去にしたかったことを再現、反復します」 ブログNo.104_d0395266_06270565.jpg

子供に愛着される母

対象との関わりは母が教えます。

対象世界との最初の関係を見せ、体験させ、教えるのは母です。

母が子どもに関わらなければ、子供は世界との関わり方がわかりません。

そして、母の関わり方が子供にそのままコピーされます。

例えば、母が対人恐怖で人と関わることが少ないと、子供も対人恐怖で人と関わろうとはしません。

社交的な母を見て学べば、社交的な子供になります。

正常な場合、母は子どもが関わりたい、愛着したいと思う存在になります。

子供の心的エネルギーを引き出し、愛着対象である母に向かうようにします。

そのためには、生まれた時から適切な世話をします。

それは、授乳、清潔なおむつの取り換え、眠りに入りやすくするなど、快を感じる自体愛を作ります。母は子供に心地よい快状態を24時間態勢で作ります。

そこにスキンシップによる“温もり”と、いつも関心をむけて見守る“まなざし”と“声”をかけ、“安心”と“安全”を子供が感じらるようになります。

すると、この母の傍にずっと一緒に居たいと思い、子供に「着」が登録され、それが持続し積み重なり「愛着」になっていきます。

子供に愛着される母になった時、母はラカンのいう「対象a」の資格を得ました。

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子供に愛着させる

子供に愛着されない母は、子供に愛着させます。

子供が母のご機嫌を取り母を快にします。そうしないと子供は家に置いてもらえません。待遇が悪くなります。母の言うことをきいている限りは家にいられるので、子供は無理矢理でも母に従います。従わざるを得ません。

子供は母のいいように振りまわされ道具にされ、尊重されたり、欲求をきいてもらうことはなく、ボロボロにされます。

  

自分の想い通りに人を操り支配したい根本には、劣等感、無力感があります。

ブログNo.100 「無力な自分を防衛するために子供を支配するのではなく、人と共に平等に生きる」でも書きましたが、

無力、無能、劣等な自分が顔を出さないように他者を脅し、威嚇し、言うことをきかせ、支配し服従させる。

そうすれば、寄る辺なき存在で無力な劣等な自分でないことを証明できます。自分は力がある、凄いと自己愛を保てます。

無力感の強い人ほど、常にそれを証明し続けなければなりません。

相手が弱いほど自分の言いなりにできるため、その対象に子供が選ばれます。

幼いほど脅しが効き、「ご飯を食べさせない」、「追い出すぞ」の一言で支配できます。

無力であるが故に劣等感を生み、自己愛が傷つくるため防衛する必要があります。

対象a

ラカンは「対象aとは欲望の原因」と言います。

母が子どもを愛着させ、対象aの資格を得なければ、子供は欲望の原因=対象aを持っていなので、欲望はなく、自分のしたいこと、好きなことがありません。

母は子供を後ろから支え、支援します。

それがall ok することです。敏速・適確に、言われたことだけをします。

子供が母を思い通りに操れば、満足し心地よく生きられます。

対象aは、主体をその対象に関わりたいと思わせ、その気にさせる何かを持っています。

多くの人は、そもそも対象aの概念の知らない。対象aを持っていない。そのため何が自分を引き付けるのかわからないまま、対象選択しています。

配偶者選択においても、明確に語れる人はまずいない。突き詰めれば何となく、「誰でもよかった」では、対象を選択したとは言えません。

対象aを言葉で定義できれば、その対象に釘付けになり、求めていきます。

    

    

知らずに対象aを再現し反復する

例えば、サーフィンを好む人がいます。

サーフィンを「波乗り」と言います。精神分析で波は情動の象徴です。

サーフィンをする人は、人生の波に乗ったことがありません。

何故なら、母は心の波の起伏が激しく、情動が揺れ、気分がコロコロ変わり、気まぐれで予測がつかないからです。

子供としてはこの母の変わりやすい感情の波に合わせて、うまく乗りこなさないと生きていけません。

この母の感情の波が海の波に換喩され、波を見るとどうしても乗りたくなります。

何とか上手く乗りこなそうと、何度落ちても挑戦します。

それは、母を自分が操り、操作したかったが、反対に母に操られ、主体を抹殺されました。

この母に抹殺された主体が、サーファーとして蘇りました。

このように、欠如(=母の感情の波に乗れず、操れなかった)が欲望(=母の感情の波にに上手く乗って、操りたい)になります。

もう一つ、波=並みの人間ではなく、突出した人間になりたいという欲望です。

しかし、これらは無意識のうちに行われ、本人に意識されることは分析を受けない限りまずありません。

私たちは、かつてしたかったができなかった、失ったものを再現、または反復しています。

そうして、できなかったことを成就し、過去も屈辱を晴らす行為をします。これをラカンは「欲望」と言います。

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# by laito-a-msl | 2026-01-09 06:40 | 心の健康

「対等な関係から会話が始まり、愛着から愛へ」 ブログNo.103

    

「対等な関係から会話が始まり、愛着から愛へ」 ブログNo.103_d0395266_21064989.jpg

対等な関係から会話が始まる


家庭の中で生別・年齢に関係なく平等に扱われ、自由に発言した自我は、人間関係で対等な関係を築きます。

個人としての存在と対等な人間関係に相互性が生まれ、会話・対話が始まります。

対話の基本には互いの信頼があり、信頼があれば「これを言ったら気を悪くするかな」、「関係が不味くなると困るから遠慮しておこう」などということはありません。

家庭内で特に子供は、言いたいことが言える環境を親が作ります。

自我の抹殺になる否定や禁止をせず、良い悪いんの評価をせず受け取ります。  

会話の中でひっかかり、腹が立つのは、相手の言ったフレーズに自分のコンプレックスの言語が入っているためです。

劣等感を持っていると、負ける、劣る、無力、無能、などのを連想する言葉に反応してしまいます。 

また、相手は全くそういう意図なく発言しても、そう聞こえてしまいます。

腹が立った時は、どの言葉に自分が引っかかったのかを冷静に見つけることです。

“聞く”と“聞こえる”は違います。

そのまま聞くことは難しく、自分の意味で聞きたいように聞いてしまいます。

まずは相手の言ったことをそのままオウム返しし、再生します。

ここで、思い込みや捏造をしないことです。

「今あなたが言ったことは、こういうことですね」と要約し確認します。

比べたり差別せず、他者の良い所を発見して「素晴らしい」と言うと、他者は優秀な人になり、自他共に「優」の文字を学び、優しくなれます。

差別されると、「怒」の文字を学び、無力と劣等感から自己防衛するために、自分より優秀な人を攻撃し排除します。

「怒」の文字には「女」の文字が含まれています。女性は感情的になりやすく、怒りに気をつける必要がありそうです。


親切は思いやりを育てる


「親切」は親を切ると書き、文字通り親を切った人は他人に親切にできます。

ブログNo.58「文字通り、親切とは親を切ることです」で書きました。(下記はその内容の一部です。)

適切な世話をし、正常に精神が発達すると、34歳の時期に母と精神的に決別していきます。

その子供が獲得する心は「親切」です。文字通り「親を切る」です。

母との独占関係を肛門期(1.54歳)で解消します。それは、母に向かうベクトルを遮断することです。

母へのベクトルを遮断すると、母以外の全ての対象の向かい得る可能性があります。

世界には、様々な事、物、人がいて、興味・関心が向きます。

母を切って、母以外の人を初めて対象にできたということは、画期的なことです。

母を独占したまま、ラカンのいう鏡像関係が終わらなければ、母とのまなざしの交換が永遠に続き、母以外の人に向かいません、母以外を見ることもありません。

いくつになっても母に釘付けです。これではパートナー選びはできません。

自分の投影しかしないので、自分の欲望と自己イメージを他者に投影するだけです。

これでは、他者は見えず、自分しか見えません。

全ては自分を投影した世界です。世界の中に見るのは自分だけです。

自分を投影した親切を“同情”と言い、

他者として認め、情を掛けたものを“共感”と言います。

共感できるから、親切ができます。 

親切ができると「思いやり」の心が育ちます。

これをラカン理論でいうと、他者の自我状態を想像し、想的自我を作りそれに同一化します。

自分のして欲しいことを相手にするのでは、相手への思いやりや親切ではなく、お節介になってしまいます。

相手の身になって、相手の立場に立って、相手の望むことを考えます。

思いやりは、まず相手と自分の主体の入れ換えをします。

すると、今度な自分が相手から思いやりをかけられます。

また、主体を入れ替えて、自分が相手を思いやる…と何回も相互に繰り返されます。


愛着から愛へ


愛着は優しさと思いやりの積分値です。

この間、関わり続け持続します。途中で放棄し挫折してしまうと、愛に至りません。

対象への愛は、持続する時間の中で養われます。

そのために、少しでも意見が合わなかったり、自分の想い通りにならなかったり、理解されない時、「もういい」と諦めないで関わり続け、合意に向けて会話し続けます。

諦め半分であったり、面倒くさくなっていい加減な同意をしない。それは見せかけの合意の妥協です。

これでは親密さは育ちません。親密とは、関心と愛着と会話による理解を積分したものです。

対象への関心を固定する能力が愛着です。まるで糊のように対象にくっ付きます。

愛着が無ければ、関心が剥がれ落ちてしまいます。

私たちは一人では生きられない「寄る辺なき存在」として、この世に生まれます。

愛着を作ることで無力と劣等感は克服され、対象他者にくっ付けば、無力な寄る辺なき存在ではなくなります。一人の不安はなくなり、安心安全が得られます。

安心感は心のゆとりと余裕を生みます。

いつも一人でビクビクすることなく、劣等感から人と競争することもありません。

愛着によって、「共に生きている」、「支えられている」と感じられます。

愛の始まりは、平等、対等、会話でした。(ブログNo.102「平等、対等な関係の家庭で、子供は愛着と会話を学びます」)

その交流を通して、優しさと思いやりを作り、愛着に移行します。

この時、自分は独りぼっちの不安、見捨てられる心配から逃れ、自由と安心安全に至ります。

ここで心のゆとり、余裕、豊かさが幸せを作り、「共に」と「支え」を得て、最後に愛になります。


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# by laito-a-msl | 2026-01-05 21:08 | 心の発達